厚生労働省が葉酸サプリメントの摂取を推奨する理由

厚生労働省は、2000年(平成12年)から、妊娠可能な年齢の女性に対して、葉酸の摂取を推奨しています。これは、欧米などの諸外国と比べると、10年以上遅れての発表です。

なぜ、厚生労働省が葉酸の摂取を推奨しているのか。摂取方法や、摂取量、摂取時期について、どのように呼びかけているのかを見ていきましょう。

この記事は、厚生労働省の資料を元に作成しています。原文を読みたい方は、リンク先を参照して下さい。

摂取を推奨している理由

葉酸が神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するため

日本の疫学研究では、根拠が確立されていないものの、諸外国の複数の研究で結果が示されていることから、日本でも葉酸の摂取を推進していくこととなりました。

欧米諸国では1990年代より、葉酸による神経管閉鎖障害の発症リスク低減の対策が開始され、明確な成果を上げてきています。また、アメリカでは1998年より穀物への葉酸添加を義務化。この政策は、世界51ヶ国に広がっています。

その結果、神経管閉鎖障害の発症リスクが、アメリカでは約50%、カナダで約46%、南アフリカで30.5%の減少が確認されています。
順天堂大学のサイト内資料より

日本では、まだ葉酸の添加を義務化していないので、自発的に葉酸を摂取していく必要があります。

摂取方法

栄養補助食品から葉酸(folic acid)を摂取

神経管閉鎖障害の発症リスク低減効果が確認されている研究が、栄養補助食品に含まれるモノグルタミン酸型の葉酸(folic acid)を使用しているため、サプリ等の栄養補助食品からの摂取が推奨されています。

食品から葉酸を摂取する際の注意点

効果が確認されていない

厚生労働省の資料内で、食品に含まれるポリグルタミン酸型の葉酸(folate)については、論理的には効果があるが、研究による証拠は得られていません。と記載されています。

調理による損失が大きい

葉酸は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく、加熱に弱いという特性があります。調理の際、およそ50%近く分解、溶出してしまいます。

利用効率が悪い

食品中のポリグルタミン酸型の葉酸(folate)と、栄養補助食品中のモノグルタミン酸型の葉酸(folic acid)とでは、体内での使用効率に差があります。

モノグルタミン酸型の葉酸は、体内の利用効率が約85%に対して、食品から摂れるポリグルタミン酸型の葉酸は50%程度とされています。

上記のことを考慮したうえで、厚生労働省は栄養補助食品からモノグルタミン酸型の葉酸(folic acid)を摂取することを推奨しています。

摂取を始める時期

妊娠の1ヶ月前から3ヶ月までに摂取を開始

胎児の先天異常の多くが、妊娠7~10週目までに発生していることから、摂取時期は妊娠の1ヶ月前から妊娠3ヶ月前までに摂取を始めるように呼びかけています。

これは早いに越したことはないので、理想としては妊娠を望んだ時点から開始する。もちろん、妊娠発覚時点でまだ摂取していなければ、スグに摂取をスタートしましょう。

推奨摂取量

食品からの摂取に加えて、栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)を摂取

栄養補助食品からの摂取は、1日1mg(1,000μg)を超えないこと

主要国の勧告では、1日0.4mg~5mgとなっていること。摂取量を増加させても、効果に大きな違いがない。ということから、神経管閉鎖障害の発症リスク低減に有効となる、最小摂取量の1日0.4mg(400μg)を推奨しています。

また、高用量の葉酸摂取がビタミンB12欠乏の診断を難しくするため、栄養補助食品からの摂取は1日1mgまでとしています。

葉酸摂取に当たっての注意点

  • 神経管閉鎖障害の発症原因は複合的なものであり、葉酸の摂取のみで完全に予防出来るものではない
  • 胎児の健全な発育のためには、適切な食生活による栄養バランスや、禁酒、禁煙が不可欠

葉酸の摂取は、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減する効果はあるものの、そのリスクを完全に予防できるわけでは無い。ということです。

また、葉酸の摂取だけが重要なわけではなく、食事からバランスの取れた栄養を摂り、お酒、タバコといった生活習慣をやめることも、母体の健康と胎児の健全な発育に欠かせません。

まとめ

葉酸を摂取するにあたって、厚生労働省が推奨する理由と摂取方法について見てきました。

メーカーによって品質に良し悪しはあるものの、基本的には市販されている葉酸サプリを、推奨摂取量を守りながら飲んでおけば問題ありません。

ただし、中には食品由来のポリグルタミン酸型の葉酸を使用しているサプリもあるため、厚生労働省が推奨するモノグルタミン酸型の葉酸が配合されているものを選びましょう。

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